五月人形を栴檀(センダン)の木で、

五月人号組み木、サンプル制作
五月人号組み木、サンプル制作

栴檀(センダン)

 

五月人形、「子どもが賢く育って欲しい」という親の願いにぴったりの栴檀という木。

 

小黒三郎さんの五月人形の組み木は一日コースはクルミの木、2日コースはメープルでするとご案内していますが、他にも素敵な木はないかと大川の木材屋さんに問い合せても見つけれない。

そういえば…、先日の講習会中に私のスーパースターご近所西野木材の常務さんがなにやら真っ黒い板木を持ってきていたのを思い出しました。「細井君なんか作ってみんしゃろ」(津屋崎の言葉はよく分からないのですがたしかこんな言い回しでした)

「栴檀(センダン)っていっていたけれどどんな木なんだろう?」

ネットで調べると大興奮。

「我が息子の五月人形はこの栴檀で作るしかない!」と強く決意するに至りました。

巨大な大木となるこの栴檀。古名霊木アフチ()は、5月5日のこどもの日の頃に花をつけ、

無数の実を鈴なりにつける木である。これだけでも充分に魅力的。

子どもの無事成長を守護し、婦人の無事安産をはかなえる女神とされる鬼子母神は千人の子どもをもつ母、

鬼子母神を本尊とする三井寺の千団子祭を千団講・栴檀講と呼ぶので、アフチもセンダン(栴檀)の木と呼んでよい。

(草木の話センダン/和泉晃一 http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/soumoku/s/sendan.html)

ざっくり省略しすぎですが、お時間のある方は和泉さんの説を読んで見てください。

さっそく製材して糸鋸で切ってみると切断面が硬くスパッと切れるのに柔らかい。これはいける!

 

この木といえば「栴檀は双葉より芳ばし」ということわざ。

(大成する人物は、幼いときから人並外れて優れたところがあることのたとえ)

というのも今回はじめて勉強しました。

栴檀が白檀(唐木の栴檀)と同列で扱われていいほど人の思いがたくさん向けられていた樹なのかもしれないと考えるのでした。

 

今年は私の育った北海道にはないこの栴檀という大木に花が咲くのを見るのが楽しみです。

その時には千団子祭のように団子を用意します。

多分明日には着色が終わり、力強く元気な木目が小黒三郎さんのデザインで可愛らしく組み上がることでしょう。

テノ森の木工講習会でも栴檀の木を選択できるようにします。ぜひ和泉さんの「草木の話センダン」をお読みになって、講習会を受講されるときのひとつの選択肢としてお楽しみください。